好奇心の結末
第一回


少女はゴールデンウィークでやって来た連休を使って、ある秘密に挑もうとしていた。
そのために、息を切らしながらも山を登っていく少女。

・・・あの社には近づいてはいけない。あの社には魔物が住んでいる・・・

そんな噂のある山奥の社。その謎を暴いてやる・・・。
そんな想いを秘めて、山を登る少女。
少女は・・・リオは、好奇心が旺盛でそういった謎というのを解くのが大好きだった。
やがて、視界に目的の社が入る。

「はうう〜、やっと着いたよ〜」

社の前でリオはぺたんと座り込んでしまう。
まだ未発達な小さな体が上下に揺れて、息を整える。
その度に、ツインテールにした銀色の髪の毛が揺れる。
初夏の熱気に汗をしっとりと滴らせるリオ。
青のベストに白いブラウス。黒のホットパンツという動きやすさと趣味の妥協した服が汗に濡れる。
でも、

「よし、行こうっ!」

背負っていたピンク色のウサギの形をしたリュックからマグライトとスタンガンを出して、社へと入るリオ。
ボロボロになった社の扉が、嫌な音をたてて開く。
誰も近づかない社。何年も、それこそ何百年も放置されていたかもしれない。
そして、リオは一瞬だけれど驚きを感じる。
何故なら、そこには・・・。社の中には、洞窟の入り口があったからだ。
岩肌に面して作られている社。洞窟の入り口を囲むように作られていた社。

「これが・・・洞窟の謎なの?」

注連縄がされて封印されている洞窟。どうやら、その中に魔物がいると言われているらしい。
リオは、一瞬躊躇してから注連縄をくぐって洞窟の中へと入って行く。
社の中の乾きつつもカビ臭い匂いが、しっとりとしたじめじめとした空気になる。
どんどんと奥へと入って行くリオ。
やがて、外からの光が途切れてくると、リオはマグライトをつけて奥へと進む。
と、狭い洞窟が開ける。
そこには、不気味な石像があった。
狼のような頭に、下半身には触手のある石像。異形の石像。

「これが・・・魔物・・・?」

少女が石像に近づき、そっと触れる。
ひんやりとした感覚が手から伝わる。
少女があたりを見回すが、石像の他には何も無かった。

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