この仰臥位は、現在の病院出産では主流の体位です。その理由としては様々なことが言われていますが、一般に医学上の処置(例えば会陰保護、会陰切開等)をしやすいからであると言われています。
しかし、「それでも医者にお産をまかせますか」(草思社)によると、大変興味深い説が取りあげられています。
それは、出産マニアであったと思われる、フランスのルイ14世が、愛妾の出産シーンを良く見えるようにするためである、との説です。
当時のお産の体位の主流は座位で、分娩イスをつかったお産が主流だったようです。分娩イスが嫁入り道具の一つだったというお話もあります。よく言われる「産み落とす」という言葉は、こうした座産や、あるいは立産等の分娩体位による出産を表現した言葉であると思われます。
ところが、分娩イスに座ってのお産だと、どうしても赤ちゃんが出てくるところがよく見えません。そのため、ルイ14世は欲求不満に陥り、どうすれば良いか考慮したところ、王室の男性産婆(今でいう男性助産師のような人のようです)に命じて、今のあおむけ体位をとらせるようにしたようです。
たしかに、あおむけ姿勢ですと、女性器から赤ちゃんが出てくるところがよく見えますから、出産の神秘的なプロセスを楽しむことができます。
ですが、この体位は、なによりも当の出産する女性にとってとても産みにくい姿勢です。赤ちゃんにとっても望ましくないらしいですね。マニアである私としては、これはあまり良いこととは思えません。
また、マニアとしての純粋な好奇心からしても、やはりあおむけ姿勢はなによりも、美しい出産時の女性の表情が良く見えないのですから、座位や立位よりも私は個人的には好きではありません。
みなさんはどう思われますか?
(続く)
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